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食事のエネルギー密度が高いと太りやすい?

更新日:2021-02-03

日本人の1日の平均摂取エネルギー量は平成28年で1878kcalと、「日本人の食事摂取基準」が定める推定エネルギー必要量を下回る傾向にあります。しかし、男性の肥満率は31%、糖尿病患者は1000万人超と、過去最高です。
運動量が減っていることも一因ですが、それだけではこの矛盾は説明できません。そこで近年は、食の欧米化により、エネルギー密度の高い食品を多く摂取するようになったことが大きな原因と考えられるようになりました。

エネルギー密度とは?
食品に含まれるエネルギー量を、その重量で割った値(kcal/g)。「カロリー密度」ともいいます。

どんな食品で「エネルギー密度」が高い?
脂質量が多い食品や水分の少ない食品は、エネルギー密度が高いです。たとえば、同じ主食でもパンはご飯より水分が少ないので、エネルギー密度が1.5倍以上に増えます。逆に、水分と食物繊維の多い野菜はエネルギー密度が低くなります。

日本人の食事の「エネルギー密度」は?
現代の日本人の平均的な食事のエネルギー密度は1.4弱。かつての伝統的な和食では1.0程度でした。
エネルギー密度が増えたのは、揚げ物や炒め物などエネルギーの高い調理済み食品の利用や、主食にパンの摂取量が増えていることが原因と考えられます。

超低エネルギー密度食品(<0.6)…野菜
低エネルギー密度食品(0.6~1.5)…ごはん、かんきつ類
中エネルギー密度食品(1.5~2.25)…パスタ、豆類、卵、アイスクリーム
高エネルギー密度食品(2.25~4.0)…白パン、牛肉、鶏肉、チーズ
超高エネルギー密度食品(>4.0)…クッキー、ベーコン、バター

 

肥満者の食事はエネルギー密度が高い
アメリカの研究結果では、肥満者・過体重者は食事のエネルギー密度が有意に高く、超低エネルギー密度食品・低エネルギー密度食品の摂取エネルギー量(%)が有意に少ないことがわかりました。

 

沖縄で肥満率が全国一になったのは?

過去には肥満も少なく、平均寿命が日本一だった沖縄県。今では、男性の平均寿命が全国36位に転落しただけでなく、男女とも肥満率が全国1位に…。

その原因は?…食の欧米化と超低エネルギー密度食品である野菜の摂取量の減少に関係が!

かつての沖縄では、食事全体の平均エネルギー密度は1.0でした。ところが欧米風の食事を好むようになり、食事全体のエネルギー密度が1.5まで増加しました。

次に重要なのが野菜の摂取量です。現在の沖縄の成人の1日あたりの野菜類の摂取量は、全国平均と比較すると男女ともに少なく、しかも年々減少しています。かつては、沖縄の伝統的な主食のさつま芋の摂取量が極端に多かったため、これを含む野菜類のエネルギー摂取量が総摂取エネルギーのじつに58%を占めていました。しかし、今では沖縄でさつま芋栽培は減少し、食卓からも姿を消しつつあります。果物も、沖縄の平均摂取量は、全国平均の3分の2程度と少なくなりました。

 

高エネルギー密度食が太る理由
肥満者や過体重者は、摂取エネルギー量が普通体重者よりも多いと考えるのが自然です。しかし、アメリカの研究では、差がありませんでした。沖縄県でも、エネルギー充足量はむしろ少なく、摂取量そのものは全国平均より少ないのです。じつはエネルギー密度や栄養素と肥満には、次のような関係があるのです。
①摂取エネルギーの一部は、食後に熱として放出されます。たんぱく質では30%、炭水化物では6%ですが、脂質はわずか4%です。つまり、摂取エネルギー量は同じでも、たんぱく質や炭水化物の多い食事は熱としての放出が大きく、肥満が起こりにくくなります。
②脂質は過剰に摂取するとすべて体脂肪になりますが、糖質、たんぱく質はエネルギー源として消費されるため、一部だけが体脂肪に変えられます。
③食物繊維の多い食品は咀嚼回数が多いため、咀嚼によって①の熱としての放出が増加し、肥満が起こりにくくなります。
④野菜や果物などの低エネルギー密度食品には、多くの機能性成分が含まれ、肥満防止に役立ちます。以上のことから、エネルギー密度の高い食事は、肥満につながりやすいのです。

 

引用・参考文献:「栄養と料理」、女子栄養大学出版部、2018年9月

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