NASHとは?

更新日:2021-05-24

NASHとは

一般に肝炎や肝硬変といった言葉でまず思い浮かべるのは、B型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎、アルコール性肝炎だと思います。しかし、欧米の生活様式や食生活が普及している現在、もっとも注目を集めている肝臓の病気が、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)です。欧米の生活様式による運動不足、食生活の変化による脂質摂取量の増加は、肥満や糖尿病などの生活習慣病患者の増加をもたらし、NAFLD患者の増加にも影響を与えています。

NAFLDは肥満や糖尿病とも密接にかかわり、NAFLDは生活習慣病の肝臓での表現型とされているのです。

NAFLDとは、非アルコール性脂肪肝(NAFL)から非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、NASHから進行した肝硬変、肝臓がんまでをまとめた病気の総称です。NAFLは肝臓に脂肪のみがたまった予後良好な病気です。しかし、NASHは脂肪の貯留のみならず、肝臓の炎症(肝臓の障害)や線維化(肝臓がかたくなる)が起こり、肝硬変や肝臓がんに進行するだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞などの脳・心血管疾患も高率に合併する、つまり命にかかわる病気です。

 

NASHの病因

NASHの病因はさまざまな原因があります。なかでも重要なものはインスリン抵抗性です。インスリンは身体の血糖値を保つホルモンですが、インスリンが分泌されているのもかかわらず、その効きが悪くなっている状態をインスリン抵抗性といいます。血糖値を保つホルモンなので、糖尿病にかかわることは有名ですが、NASHの病因としても重要です。まず、肝臓への脂肪の蓄積にインスリン抵抗性がかかわり、さらに、NASHへの進展および、NASH進展のほかの因子である酸化ストレスや脂肪毒性(遊離脂肪酸の増加)にもインスリン抵抗性が関与します。また、肝臓がんの発生にも重要であるとされています。

NASHは前述のとおり、生活習慣病の肝臓での表現型とされ、近年の生活習慣の変化により生じたインスリン抵抗性が密接にかかわります。NASHは肝硬変や肝臓がんを発症するだけでなく、脳・心血管疾患のリスクでもあり、いったんこれらの病気を発症すると患者の生活の質を著しく損ねる可能性があります。NASHの治療をする際には減量が有効であり、食事療法、運動療法が治療の第一選択です。

 

出典:「NutritionCare第8巻7号」、メディカ出版、2015年7月

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