HOME > 病気について > 肝臓病 > ウイルス性肝障害

ウイルス性肝障害

更新日:2013-02-12

急性肝炎

急性肝炎の場合、的確な診断がなされ、劇症化が否定された場面では、特別な治療はいりません。安静ならびに肝庇護剤の点滴などでほとんどが治癒します。ただ,B型肝炎ウイルスの場合は1~2%が劇症化し、特殊な治療(血漿灌流、血漿交換など)を必要とします。また,C型肝炎ウイルスの場合は慢性化しやすく、経過観察中に慢性化が確認されたら,インタ-フェロンによるウイルス排除が必要となります。

慢性肝炎

慢性肝炎の場合、原因であるウイルスの排除(C型)、非活動性化(B型)を目的にインタ-フェロンを使用します。C型の場合、ウイルスが消失し肝機能が正常化する(完全寛解)効果があるのは3~4割程度で,B型の場合は、改善効果(e抗原が陰性化し、e抗体が陽性化する...セロコンバ-ジョン)は約2割とされています。

インターフェロン療法

インタ-フェロン療法では、発熱、倦怠感、脱毛、うつ状態(1~2%)などの副反応が出現することがあります。信頼の置ける主治医との、納得のいく治療展開が必要とされる場面です。一般的には漢方薬の内服、肝庇護剤の注射もよく行われますが、ウイルスの抑制効果と言う観点からは根本的な治療とはいえません。

しかしながら、トランスアミナ-ゼを正常の倍以下に安定させた症例には肝癌の併発は極めて少ないという臨床デ-タが多くの施設から発表され、インタ-フェロン著効例以外の肝疾患症例では、肝庇護剤による肝機能の安定化が重要視されています。

今後はより効果のある副作用の少ない薬剤の開発が望まれます。

肝硬変

肝硬変の治療は、主に合併症の予防,治療であり,原因のウイルスに対するインタ-フェロン治療は、現在のところ保険適用はなく、行われません。しかしながら、肝機能の不安定な症例に肝癌の併発がより多くみられることより、適切な肝庇護療法が望まれます。

不可逆的な肝不全を引き起こした症例では、今後日本でも、適応症例の慎重な吟味がなされた上で、肝臓移植が積極的に行われることになるでしょう。

Copyright(c) 2012 - 2024 浜田内科・消化器科クリニック All Rights Reserved.
Top