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クローン病の食事療法

更新日:2013-02-01

クローン病では、通常の食事を摂取すると症状が悪化しやすく、再燃率(症状が悪くなる確率)は80~100%と高くなると言われています。
そのため、経腸栄養剤(エレンタールなど)と食事を組み合わせた食事療法を行います。

▼経腸栄養剤

各栄養素がほとんど消化されているため(※)吸収しやすく、また、蛋白質が含まれていない、脂肪含量が少ないなど、通常の食事を摂取したときのような負担を消化管にかけずに、体内に必要なエネルギーや栄養素を取り入れます。

※半消化態栄養剤(クリニミール、エンシュアリキッド、メディエフリキッドなど)は、部分的に消化を受けた食物と同じような状態で、注入後更に各栄養素が消化を必要とする。

基本的な食事療法

一般的に、高エネルギー、高たんぱく質、低脂肪、低残渣(※)が基本となります。
しかし、これは正式に認定されたものではなく、クローン病食の明確な基準はいまだ確立されていない現状にあります。
そして、個々の患者さんで合う食品と合わない食品が異なるなど、個人差が大きくなります。
そのため、個人の症状や病態、合う食品、合わない食品などを検討しながら食事療法を進めて行きます。

■高エネルギー

消耗性疾患で栄養状態が低下しているため、エネルギーは十分に補給する必要がある。1日のエネルギー設定は、標準体重あたり35~40Kcalを下回らないようにする。

■高蛋白質

体蛋白の漏出、出血による貧血等で低蛋白血症が多く見られるため、必要な蛋白質を補う必要がある。
成分栄養剤の蛋白質は、吸収しやすいアミノ酸で構成されています。
食事の部分は、EPAの多い、特に背の青い魚類を主にし、豆腐なども摂取できる。肉類(加工品含む)は避けた方が良い。

■低残渣

不溶性食物繊維は腸管を刺激し、発酵や腹痛、下痢を起こしやすく、腸管安静を保てないと考えられるため。
野菜は食物繊維の硬いものは避け、比較的柔らかいものを使用する。繊維を細かく切り、生で摂食するより加熱した方が良い。

■低脂肪

脂肪の摂取量が多いと腸管運動が亢進し、下痢を誘発する。また、炎症を引き起こす原因にもなり、腸管安静を保てなくなる。
1日の食事で脂肪摂取量が30g以上だと再燃(症状が悪化する)しやすいこともわかっている。

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