油脂のとり方

更新日:2013-02-12

表は主に脂肪を含む食品です。調理に使う油のほか、ベーコン、豚バラ肉、マヨネーズ、ピーナッツなど、脂肪を特に多く含む食品(多脂性食品)も表5に入ります。
油脂は1g9kcalと少量でも高エネルギーになる食品なので、摂りすぎには十分注意しましょう。目安量としては、1200~1400kcal場合は1単位、それ以上の場合は1.5単位です。

また、油脂には植物性(サラダ油・ごま油・オリーブ油など)と動物性(ラード、バターなど)があります。

エネルギー量は同じですが、動物性油脂には血液中の悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化を進める飽和脂肪酸が多くふくまれています。
一方、植物性油脂や魚の脂肪には血液をさらさらにし、動脈硬化を予防する不飽和脂肪酸が含まれています。高コレステロール血症の予防のためにも、なるべく植物性の油を使用しましょう。

油脂を上手に使う工夫

1. 計量しよう

油脂は計量スプーンで計れるものは、できるだけ計ってつかうようにしましょう。
こさじ1強=5g(0.5単位)  大さじ1強=15g(1.5単位) 

2. 調理器具を工夫しよう

焼き物や炒め物の場合、テフロン加工のフライパンを使うと、油の量が少なくてすみます。
また、網焼きでは、油を使わないでいいばかりか肉や魚から出る脂が自然と下に落ちるので、エネルギーを減らせます。
揚げ物の代わりに、パン粉をのせたものに、油を少量たらして、オーブン焼きにすると少量の油でおいしく食べられます。

3. 目に見えない油に気をつけよう

計量が難しい物として、揚げ物があります。フライの場合、50~60gの材料で約1単位(10g)もとれてしまいます。直接計ることはできませんが、いろいろな条件で吸油率に差がでてきます。

▼衣が厚いほど、油の吸収も多くなります。
 素揚げ<から揚げ<フライ<天ぷら<かき揚げ

▼低温で長時間揚げていると、吸収も多くなります。短時間ですばやく揚げましょう。

▼同じ量でも、小さく切ってある方が表面積が広く、油の吸収が多くなります。

▼食材によっても違います。水分が多いものほど、吸収も多くなります。
*油を吸いやすい食材*なす・しいたけ・玉ねぎ・焼きソバなど
*油を吸いにくい食材*いか・えび・肉など

種類 材料に対する吸油率 
 素揚げ  約3~5%
 から揚げ  5~7%
 フライ  10~15%
 天ぷら  15~20%
 かき揚げ  20~25%

脂肪は身体の機能を維持するために必要な必須脂肪酸(リノール酸・αリノレン酸)の供給源となりさらに脂溶性ビタミン(緑黄色野菜に多いカロチン・いわしやまぐろに多いビタミンD・ごまなどに多いビタミンE)の摂取を高め、吸収を高めるなどの利点もあります。

不足状態が続くと、脳卒中や高血圧を起こしやすくなります。また、摂り過ぎが続くと高脂血症や心臓病、糖尿病の原因になってしまします。脂肪の摂取には、その質と量を十分に注意しましょう。脂肪エネルギー摂取は、総摂取エネルギーの20~25%が適正です。

脂肪酸の種類

動物性の脂肪には飽和酸脂肪とコレステロール多く含みます。一方、植物性、および魚類の脂肪には多価不飽和脂肪酸が多く含まれます。このような理由で、動物性脂肪と植物性および、魚類の脂肪は1:2または1:1の比率で摂取するのがよいでしょう。

脂肪酸の分類と多く含む食品

飽和脂肪酸     パルミチン酸・ステアリン酸
ミリスチン酸・ラウリル酸 
ラード・ヘッド・バター 
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 n‐9系列  オレイン酸 オリーブ油
多価不飽脂肪酸 n‐6系列  リノール酸 サフラワー(紅花)油・
ひまわり油・コーン油
n‐3系列 α‐リノレン酸 シソ油・えごま油
EPA・DHA 魚油

不飽和脂肪酸のリノール酸や、魚油のEPA・DHA・一価不飽和脂肪酸のオレイン酸(オリーブ油)にはコレステロールの低下作用がみられます。
しかし、リノール酸は確かにコレステロール低下作用は強いのですが、HDLコレステロール(善玉コレステロール)まで下げてしまい、酸化されやすく、摂り過ぎはアトピー・心疾患・脳血管疾患に影響を与えているといわれるようになってきました。

最近では、αリノレン酸の多いしそ油や魚油・オリーブ油が注目されるようになってきています。
魚油はコレステロール低下の面だけでなく 血栓防止・抗炎症・免疫改善などの面でのメリットも持つと言われています

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