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高脂血症とは

更新日:2013-02-12

高脂血症とは

血液中には、(1)コレステロール、(2)中性脂肪(トリグリセライド)、(3)リン脂質、(4)遊離脂肪酸、の4種の脂質があります。これらのものが一つでも正常値以上の値になった場合を高脂血症といいます。
中でも動脈硬化の危険因子としてとりあげられるのは、(1)コレステロールと(2)中性脂肪の増加です。

どれ位多いと高脂血症なの?

総コレステロール値

220mg/dl以上

コレステロールは細胞質を作る材料として体の各部に含まれています。
また、性ホルモンなどの材料にもなりますので、体にとってある程度は必要なものです。

 中性脂肪
(トリグリセライド)

150mg/dl以上

中性脂肪は体の中のエネルギー源として使われます。

HDL-コレステロール値

  40mg/dl未満

HDL-コレステロールは善玉コレステロールともいわれ、低い場合に動脈硬化が発症しやすいことが解っています。

LDL-コレステロール値

150mg/dl以上

LDL-コレステロールは悪玉コレステロールともいわれ、多いと好ましくないものです。
(総コレステロール値)-(HDLコレステロール値)-(中性脂肪値/5)で計算します。
※中性脂肪が400mg/dl以上の場合は、この式に当てはまりません。

高脂血症の分類

脂質は、水には溶けずそれ自体では存在できませんが、血液中の脂質は蛋白質と結合してリポ蛋白として存在します。そしてこのリポ蛋白の研究が進み、血液中のリポ蛋白の内容により分類されるようになりました。

Ⅰ型

カイロミクロン(食事由来の脂肪を運ぶリポ蛋白)が著明に増加する。
食事からの脂肪の摂取量が多く、血液中の中性脂肪が増加しているタイプ。
腹痛、膵炎、脂っぽい皮膚などの症状。

Ⅱa型

総コレステロールの増加。
高脂血症の中で最も多いタイプ。
末梢動脈硬化、虚血性心疾患(冠状動脈硬化)、結節性黄色腫の出現など。

Ⅱb型

総コレステロールと中性脂肪の両方の増加。
各種の動脈硬化の他に、結節や腱への黄色腫が合併。

Ⅳ型

肝臓で合成された内因性の中性脂肪の増加。
糖代謝異常、高尿酸血症が合併。冠状動脈硬化を起こしやすい。

コレステロール値が高いとどうなるの?

● コレステロールの値が高くても、そのままでは痛くもかゆくもありません。

● しかし、大規模な研究によって、総コレステロール値が高いと、心臓の血管がつまることによって起こる狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を起こす率が高いことがわかっています。
これは、血管の壁にコレステロールが沈着して血液の通り道が狭くなるためです。

● これらの病気は、元気な人がある日突然発症することも稀ではなく、また、死亡する率が高く、胸や頭に激痛がはしり、倒れるなどの症状が出たときには既に手遅れのことが多い重篤なものです。

治療

1.食事の改善
2.運動
3.喫煙、飲酒をひかえる

いくつかの脱脂質剤やコレステロール低下剤が出ていますが、治療、特に予防の基本は食事療法です。また、食事療法だけでかなりの効果を上げることができます。
上記の方法で改善できなければ薬を飲むことになりますが、薬を飲めばそれでいいというものではありません。薬を服用していてもそれで安心せず、生活習慣の改善を常に意識しましょう。

高脂血症の食事療法

高脂血症(リポ蛋白)のタイプにより内容は異なります。
原則は、血液の中で過剰しているものを多く含む食事をとらないことです。さらに脂質代謝を円滑に進める補酵素の役割を持つビタミン類をバランスよく摂取するということです。
献立の工夫を凝らすことで、食事を楽しみつつ合理的な高脂血症の食事療法が可能であることを会得すべきです。

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