自己免疫的機転を有する肝疾患
更新日:2013-02-12
普通、人間には自己、非自己を見分ける能力があります。自分の皮膚を他の部分に移しても、そのまま生着し、皮膚としての機能を正常に営みますが、他人のであれば拒絶反応をおこします。すなわち、本来、自分の生体の組織を攻撃することはありませんが、なんらかの機転で、そのシステムに異常がおこってしまった場合、結果的に自らの免疫応答系が、自分自身を攻撃してしまう為に組織障害が引き起こされる...というのがこの病気です。
自己免疫性肝炎(AIH)とは、免疫システムに何らかの異常が存在し、本来敵ではない自分の肝細胞を攻撃して肝炎を引き起こしてしまう病態です。同様に原発性胆汁性肝硬変(PBC)がありますが、これは自分の肝臓の中にある胆管を自ら攻撃してしまう疾患です。