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肝臓の病気

更新日:2013-02-12

肝臓病とは…

原因は、肝炎ウィルス、お酒の飲み過ぎ、薬、免疫の異常、肥満(脂肪肝)等です。
原因によっては、肝臓の細胞が壊れ続け、急性肝炎から慢性肝炎、肝硬変へと移行します。慢性肝炎ではあまり症状がありませんが、肝硬変になると残りの細胞がかわりに働くことができなくなり、徐々に症状に現れてきます。

肝硬変が更に進行すると、肝不全になることもあります。また、慢性肝炎や肝硬変では、肝臓がんを合併する可能性もでてきます。
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肝臓の病気

肝臓病の原因の主なものは、ウイルス性肝炎(A型肝炎・B型肝炎・C型肝炎など)、アルコール性肝障害、薬剤性肝障害、自己免疫性肝炎などがあります。
また経過や病気の進行具合からウイルス性肝炎は急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変と分ける事ができます。

1)ウイルス性肝炎

A型肝炎は急性肝炎がほとんどで慢性化することはなく治癒します。

B型肝炎も一過性感染では急性肝炎で慢性化することはほとんどありません。

しかしB型肝炎ウイルスキャリアの人は慢性肝炎で発症したり、C型肝炎は急性肝炎から多くの人が慢性肝炎へ進行したり、あるいは突然慢性肝炎で発見されることが多くあります。またこれらの人の一部は肝硬変へ、また一部の人は肝臓癌になってしまいます。

【ウイルスの感染経路】

★ 輸血・血液製剤投与によるもの

B型肝炎ウイルスについては1979年より、C型肝炎ウイルスについては1989年より輸血用血液、血液製剤についてこれらのウイルスに感染していないかチェックしていますがそれ以前のものは残念ながら検査する手段がなく、輸血された人や血液製剤の投与をうけた方々の一部にこれらの肝炎ウイルスに感染してしまった人がいます。
現在はチェック体制が確立されたため感染はなくなってきています。

また以前は予防注射の針を数人分同じものを使用していたり、医療器具の消毒法がウイルスについては確立しておらず感染を起こしていたことも考えられています。

★ 刺青・覚せい剤のまわし打ち

肝炎をもった人に使用した器具が充分消毒されないまま他の人に使用されてしまうために感染します。なお針・灸は自分専用の針や、使い捨ての針を使えば問題ありません。

★ 母子感染

B型肝炎ウイルスはキャリアである母親がHBe抗原陽性(血液中のウイルス濃度が高い)の場合、出産時に産道出血より新生児に感染します。(遺伝ではありません)
そしてキャリア化し成人になって慢性肝炎として発症することが多くみられました。1985年頃よりグロブリン投与とワクチンにより感染が防げるようになりました。

C型肝炎ウイルスはB型肝炎ウイルスより感染力が弱く、また母体中のウイルス量も少ないことから母子感染は極めて少ないとされていますが、全くないわけではありません。

★ 性的接触

不特定多数の人と性的接触を持つ人は一般の人よりウイルス抗体陽性率が高いことからエイズ同様、性行為感染症としても認識すべきです。

★ 経口感染

A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスはウイルスで汚染された食べ物、飲み物から感染します。B型、C型肝炎ウイルスは、一般的には経口感染しません。

以上のように感染経路があるわけですが、日常生活での接触では感染はしません。ひとつ屋根の下に住もうが、一緒にお風呂に入ろうが感染することはありません。

【A型肝炎】

●感染経路
飲料水・食物を介して感染します。加熱料理するとウィルスは死ぬため、生水(井戸水など)や生の食物(主に生ガキや貝類)が感染源です。
ウィルスは感染者の便と共に体外へ出て、それに汚染された水や食物が新たな感染源となります。

●進行
2~4週間の潜伏期間の後、急性肝炎を発症し、2~3ヶ月以内に治ります。

●自覚症状
倦怠感・食欲不振・頭痛・関節痛などのカゼのような症状。1週間後、カゼ症状は消え黄疸がでる・便が白っぽくなる。そして、回復へと向かいます。

●治療法
安静と栄養補給

●慢性化
しない

●予防
予防注射を受ける。また、東南アジアやアフリカへ旅行する際に生水・生の魚介類に気をつける
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【B型肝炎】

●感染経路
輸血・麻薬の回し打ち・ピアスの穴あけ・性行為など血液を介して感染します。(水平感染)
また、B型肝炎ウィルスを持つキャリアの母親が出産する時に血液を介して子供に感染する場合もあります。(垂直感染)

●進行
水平感染の場合、1~3ヶ月の潜伏期間を経て急性肝炎を起こします。3歳以上の人が感染した場合は、すでに免疫機構を獲得しているため、慢性肝炎になることはほとんどありません。
垂直感染の場合、赤ちゃんはまだウィルスを排除する免疫機構が弱いため、ウィルスのキャリアになります。(1985年からキャリアの母親から生まれた赤ちゃんにワクチン注射が行われるようになった為、わが国では母子感染の危険はほとんどなくなりました。)

●自覚症状
倦怠感・食欲不振・発熱・吐き気などのカゼ症状。カゼ症状が消えると黄疸が出る・尿が褐色になる・便が白っぽくなるが現れ回復へと向かいます。

●予防
HBワクチンの接種

●慢性化
する
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【C型肝炎】

●感染経路
輸血・麻薬の回し打ち・ピアスの穴あけ・刺青・出血など血液を介して感染します。
中でも最も多い感染源は輸血によるもので、輸血によって感染した人の大部分はC型肝炎ウィルスが発見された1989年以前に輸血を受けた人たちです。

1990年以降、日本赤十字社に集められる輸血用血液はすべてC型肝炎ウィルスの有無がテェックされるようになり、それからは輸血による感染は激減し、将来的には、ほとんどなくなると予測されています。
しかし、感染源がはっきりしない場合も約半数にのぼっています。
C型肝炎ウィルスはB型に比べると感染力が弱く、母子感染や性感染はまれにしか起こりません。

●進行
C型肝炎ウィルスに感染すると、多くは急性肝炎を発症します。しかし、症状は軽いため、大部分の人が感染に気づかず、 年月が経ってから健康診断などで、初めて感染を知る場合が多い病気です。
C型肝炎ウィルスによる急性肝炎を起こした人の約20~40%は自然治癒しますが、残りの約60~80%の人はウィルスのキャリアとなり、そのほとんどが慢性肝炎へと移行し治癒せずに放置すると、徐々に肝硬変・肝臓がんへと進行する恐れがあります。

●自覚症状
倦怠感・発熱・吐き気などのカゼ症状。しかし、A型やB型に比べるとはるかに軽い。

●慢性化
する

2)生活習慣が原因の肝臓病

★アルコール性肝障害

肝臓にはアルコールを分解・解毒する働きがありますが、長期間にわたって大量に飲酒していると肝臓に大きな負担がかかります。
アルコールによる肝障害は脂肪肝・アルコール性肝炎・肝線維症・肝硬変があります。肝硬変になる前までなら禁酒・節酒(休肝日を作る)により進行が防げます。

★栄養性の脂肪肝

健康な肝臓の細胞には3~5%程度の脂肪が蓄えられていますが、中性脂肪が30%以上蓄積し、肝臓の機能障害を引き起こす状態を脂肪肝といいます。

過食・肥満・アルコール・糖尿病・運動不足によっておこります。軽度の肝機能障害ですむことがほとんどで、減量や食事療法で改善します。
ただし併存する高脂血症などとの関連で動脈硬化症が進展している場合は、心筋梗塞、脳梗塞など様々な成人病を引き起こし、生命に関わる病態を引き起こすことは認識しなければなりません。

3)薬剤性肝障害

薬剤アレルギーによって起こる場合がほとんどで一部重症化することがありますが、原因薬剤をつきとめて中止すればすぐになおることがほとんどです。
その他飲み方の誤りや多剤併用による障害(代謝酵素の競合など)もありますので注意が必要です。
 

4)自己免疫性肝炎

自分自身の肝臓を自らの免疫能が障害してしまう病気です。一種の免疫異常によるもので慢性肝炎様の病態を示し、肝硬変に進行します。肝臓癌になることはまれです。リウマチなどの他の自己免疫疾患などを合併することがあります。

5)原発性胆汁性肝硬変

自己免疫性肝炎と似たような病気です。肝硬変と名前がついていますが、初期には胆管炎の状態です。徐々に肝硬変へ進行します。

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