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肝臓病の養生のコツ

更新日:2013-02-02

肝臓は生命維持に欠かせないもっとも重要な臓器の一つでありながら、私たちはその存在を気に留めることは意外と少ないのです。
通常、肝臓は全能力の20%程度で働いており、また肝臓の60-75%を切りとっても1-2ヶ月後には再生して機能を回復することが知られています。

肝臓は毎日に営みの中で、食べ物から体に必要な蛋白を作ったり、エネルギ-の蓄えと供給を適宜行ったりします。また、外から入ってきた薬剤を分解したり、毒物を無害なものに変える働きを持っています。
このほか、各種ホルモンの代謝にも深く関与しており、さながら『巨大な化学工場』のような働きをしています。

このような大事な働きを持った肝臓がひとたび病気になった時、日常生活において様々な注意が必要です。肝臓の機能が何とか発揮できている状態(代償期)の肝硬変では、肝不全に移行しないように、適切な薬物療法(アミノ酸製剤、肝庇護剤、ビタミン剤)とバランスのとれた食事並びに上手な休養をとることが重要です。
この時期は、肝臓の機能が明らかに低下しているとはいえ、普通の日常生活に耐えられるだけの機能は残しています。さらに病態が進展して肝不全の兆候がでてくると、肝性脳症の予防を目的とした蛋白制限並びにアミノ酸製剤の投与が必要になってきます。

しかしながら、安定した経過をとっている慢性肝炎の場合には、普通に生活し,就業してもかまいません。また、軽い運動,アルコ-ル(つきあい程度...ただしアルコ-ル性肝障害の場合は依存度によって制限もあり)も問題ありません。
安静にし続けることにより、筋力、骨密度の低下などが引き起こされ、逆に肝臓以外の疾病を招来することもあります。

常に、肝疾患が現在どのような状況にあるかを的確に評価した上で、もっとも安心できる治療法のもとに、前向きに且つ気長に取り組んでゆくべき疾患なのです。

長編小説のように息の長い病気とうまくつきあうには、結果的に、肝臓病と良い友達になることが大切であるといえましょう。

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